「タバコをやめて起こる体重増加の仕組みと対処法」

【禁煙による体重増加】
禁煙した人が、体重が増えてしまったので元に戻そうと、またタバコを吸いだしたという話を耳にし、「何ともったいないことを・・」と残念に思うことがしばしばあります。
禁煙による体重増加は80%の人に見られます。しかし、体重増加の平均は2s前後にとどまっており、禁煙が落ち着くと体重増加は停止し、ほとんどは減少に転じるといわれています。
また喫煙は、総死亡リスクを2倍に上昇させるといわれますが、仮に体重増加によって死亡リスクを同じにするには、「45sの体重増加に匹敵する」と試算されています。
体重増加が健康へ及ぼす影響は少なくありませんが、一時的な体重増加を憂い「タバコを再開してまでも何とかしなければ・・・」と、考えるのは大きな間違いだといえます。
喫煙するよりも、禁煙によって得られる健康への効果は大きいのです。

【体重増加の仕組み】
 禁煙すると太りやすくなるのは何故でしょうか。
@ニコチンには脂肪組織に脂肪が貯まらないようにする抗肥満作用があり、禁煙によりそれが解除されるため
A味覚や臭覚が改善され、おいしさが実感でき、食欲が亢進するため
B胃粘膜微小循環系血行障害が改善され、胃の調子がよくなり栄養分の吸収が促進されるため
C口寂しさを癒そうと、食物摂取量や食事回数が増加するため
D禁煙自体がストレスとなり、精神的な安定を食べることに求めてしまうため
などが考えられています。

@は体の仕組みとして、ABは、喫煙によって不健康だった体が、禁煙することで健康体に戻った証拠として、CDは、すべての人に出現するものではありませんが、多くの傾向として見られるからです。

【対処法】

 便通を整えたり、余分なコレステロールを減らしたり、気持ちを落ち着かせるニコチン離脱症状を和らげる作用があります。相当大量に食べても体重増加にはつながりにくいので、空腹感がある時、口寂しいときには 野菜を利用して乗り越えましょう。欧米ではしばしば禁煙グッズとして、スライスオニオンやセロリの丸かじりが推奨されています。調理の際、避けたいのが油脂類や砂糖なので、蒸したり・湯がいたりするとよいでしょう。

 食事の満足感を上げるには、ゆっくりと食べることがお勧めです。食べ物を飲み込んでから20分くらいで満腹感を感じますから、早食いは食べ過ぎにつながります。一口20回以上噛む、箸を一口ごとに置くのもよい方法です。

 スナック、果物、ジュース類は驚くほどエネルギーが高く、太る原因になります。口寂しさのためになめる飴も、数が多くなると相当なエネルギーになります。間食はノンカロリーの食品にする、手元に置かない、持たないが最善です。

 太るもとになるのが「食べ足し」です。それを防ぐ妙案が、食事が終わったらすぐに歯みがきをすることです。ずっと歯ブラシをくわえて間食を防ぐ人もいます。就寝前2時間は、飲食をしないようにし、適度な空腹にも慣れるようにしましょう。

 動くことには緊張感をほぐす効果があります。まとまった運動の時間がとれない人は、階段を利用したり、ストレッチ体操をしたりするなど、自分にあった動きの工夫をしてみましょう。この機会に、歩数や体重など記録する習慣をつけるのもよいことです。

 一時的に体重の増加があることを念頭におきつつも、当面は禁煙に専念することです。
 どうしても最初から太りたくない人は、禁煙と同時に運動を取り入れ、本格的なダイエットは、禁煙が落ち着く3ヶ月目以降からが望ましいでしょう。
 くれぐれも体重増加を言い訳にして、禁煙挫折につながらないようにしてほしいですね。
 
【引用・参考文献】
 〔中村正和:特定健診・特定保健指導における禁煙支援マニュアル(厚労科研)〕
 〔最新たばこ情報(厚生労働省ホームページ)〕
 〔高橋裕子:禁煙支援ハンドブック(株式会社じほう)〕


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