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禁煙豆知識・タバコの歴史

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タバコの歴史① ~タバコと人の付き合い(歴史編)~

●タバコのはじまり
初めて、タバコを使用したのは北米の先住民と言われ、一説によると年代は8000年前にまでさかのぼります。
タバコは、ナス科に属しアメリカ大陸原産の植物です。当時は、タバコとは単に楽しみを得るためのものだけではなく、むしろ儀式や治療に大切な役割を果たしていたと推測されています。ちなみに、太陽を崇拝するマヤ族は、火と煙を神聖なものとし、神官が神前でタバコの煙を吸っていたといわれています。

●タバコは、コロンブスが世界に広めた!
1492年、クリストファー・コロンブスと共にバハマ諸島に上陸したヨーロッパ人たちは、タバコを贈り物として受け取りました。これをスペインに伝え、スペインからヨーロッパ各地の貴族の間に広まっていきました。
この時、コロンブスがタバコを持ち帰らなければ・・・世界も変わっていたことでしょう。

●日本には、鉄砲とともにタバコが持ち込まれた!
コロンブスの発見から50年後の1543年、種子島に鉄砲とともに伝えられたと言われています。日本でのタバコは、産地として定着したところでは、鹿児島の指宿(いぶすき)といわれています。
その後、1601年にキリスト教伝道師が、徳川家康にタバコの種子を送ったことから、タバコを医薬品と聞きつけた家康が、タバコ栽培を奨励したために広まったといわれています。
ところが、米の作付け面積が減少することを危惧した徳川幕府は、1605年を皮切りに数回にわたり、タバコに関する禁令を出しています。しかも、この時の禁令の理由は「タバコは害多し」からといわれています。
やがて、明治期に入ると日本でも紙巻タバコが登場し、政府は税収入の増大を図るため「煙草専売法」により国の管理下におきました。以来、大蔵省専売局から日本専売公社へと引き継がれ、昭和60年3月までの専売の時代が続きます。 現在は、民営化され日本たばこ産業(JT)と契約した農家のみ原料用として栽培することができ、JTは農家が売り渡す葉タバコの全量購入を義務付けられています。

【引用・参考文献】
〔たばこの知識『日本のたばこの歴史』(大阪京橋たばこセンターホームページ)〕
〔たばこと塩の博物館(JTホームページ)〕 〔SMOKERS’STYLE(JTホームページ)〕
〔古森泰則:たばこの歴史(同氏ホームページ)〕

タバコの歴史② ~タバコと人の付き合い(生活編)~

●江戸時代におけるタバコ
天分12年(1543)の南蛮貿易によって日本にタバコが伝来すると、まもなく庶民の身近な嗜好品となりました。特に庶民にとっては、数少ない身近な楽しみであり、生活の中の「憩い」として疲れを癒すものでした。また、日本における世界の喫煙習慣の広がりと比較して特徴的なことは、社交の場で人々に喫煙道具を見せ合い、庶民の「粋」の精神が発揮され、人よりも凝ったものや良いものを持つことが自慢とされていました。
さらに、江戸時代においては酒と同様にタバコを嗜むことは“一人前”の証であり「人は十三迄はわきまへなく、それより二十五までは親のさしずをうけ、その後は我と世をかせぎ、四十五迄に一生の家をかため、遊楽する事に極まれり」 (井原西鶴『日本永代蔵』)と謳われるなど、この時期から、酒やタバコもほどほどに嗜んで世間との付き合いをよくすることが家業の繁栄にもつながるという考え方があったようです。

●戦時中におけるタバコ
昭和12年(1937)に始まった日中戦争は、やがて太平洋戦争へと拡大し、戦時中の軍隊でさえタバコは配給され、兵士達は僅かの精神的余裕をタバコに託したと言われています。海軍用語の「タバコ盆出せ!!」は一日の勤務を終えた事を示す 一種のシグナル、つまり一日の任務終了と私的自由がほぼ奪われた空間における何ともいえない安堵感を得ていたと思われます。
敗戦後になると、タバコは当時の困窮した国家財政にとって、税収の約20%を占める重要な財源となりました。しかし、極端な品不足が続き、配給のタバコも終戦直後には1日3本という状況になりました。それでも、戦後の虚脱感と苦しい生活のなか、タバコは人々の安らぎを得ることのできる数少ない嗜好品で、ヤミ市では私製の手巻きタバコや進駐軍横流しの外国製タバコが出回っていたようです。

●そして、現代へ―禁煙の動きが生まれた―
1950年代のアメリカにおいて、喫煙と健康の問題に関する報告書が提出され、1964年にはアメリカ公衆衛生局レポートで喫煙が病気の原因であるという宣言がなされてから、世界の動きも禁煙に向かい始めました。
わが国の喫煙に関する規制法は、1900年「未成年者喫煙禁止法」が始まりとなり、その後、1978年から嫌煙運動が強まり、1997年「厚生白書」において「生活習慣病」という概念が導入されてから、タバコが注目される社会になってきました。
2000年より「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の中で、タバコからのあらゆる保護を目的として対策が講じられるようになり、2003年5月1日に施行された健康増進法において、受動喫煙を防止する措置を講じるよう努めなければならない旨が規定されました。さらに、2005年7月以降、タバコのパッケージには注意を喚起する表示が義務付けられるようになる等、社会としても禁煙への動きが着実にみられています。
これまでは、タバコを吸うことでの“憩い”の部分や国の税収財源等のプラス評価が取りあげられてきましたが、現代ではタバコを吸うことが精神的な憩いにならないという研究結果もだされ、経済的な損失と多くの健康障害、環境被害等のマイナスの部分が明確になりました。まさに、社会全体でタバコについて本当に考えなければならない時期にきていると言えるでしょう。

【引用・参考文献】
〔たばこの知識『日本のたばこの歴史』(大阪京橋たばこセンターホームページ)〕
〔たばこと塩の博物館(JTホームページ)〕
〔SMOKERS’STYLE(JTホームページ)〕
〔喫煙と健康(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンホームページ)〕
〔最新たばこ情報(厚生労働省ホームページ)〕
〔長谷川博:わが国の「たばこ税」と「たばこ文化」に関する一考察(税制研究49号、2006年 1月論稿)〕

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