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禁煙豆知識・意外と知られていない「呼出煙」の影響

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意外と知られていない「呼出煙」の影響

タバコを吸わない方で、タバコの煙によって目や喉に強い痛みを覚えたという経験はありませんか?これは「受動喫煙」の影響です。
「受動喫煙」は、副流煙(タバコの点火部から上がる煙)と呼出煙(喫煙者の鼻や口から吐き出される煙)からなりますが、これらの煙にも有害物質が 含まれていますので、上記のような症状が現れることになります。
タバコの害は、喫煙者はもちろん、タバコを吸わない周囲の人により多くの影響をもたらします。

●副流煙の影響
酸性である主流煙(喫煙者が直接吸い込む煙)に比べ、アルカリ性の副流煙ははるかに毒性が強く、有害物質の含有量もタールは主流煙の3.4倍、ニコチン2.8倍、一酸化炭素4.7倍、発ガン性物質のベンツピレンは3.4倍、アンモニアに至っては46倍にもなります。このため、1日50本の喫煙者と同室にいた場合は心筋梗塞や狭心症の発症率が10年間で9倍以上に増えるという報告もあります。
副流煙の毒性が強い理由は、タバコの燃える温度が低いためで、ゴミが低温焼却だとアルカリ性となりダイオキシンができる原理と同じです。
また、「軽いタバコなら害も少ないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、低タール・低ニコチンの軽いタバコは、発ガン性物質まで減っているわけではありません。したがって、普通のタバコより有害な副流煙を出すこともあるのです。

●呼出煙の影響
ドアを閉めて屋外やベランダで吸う方、台所の換気扇の下で吸う方、喫煙所を利用し吸う方、周囲に煙の影響がないように配慮をしていても、実はニコチンなどの有害成分は しっかりと衣服や髪の毛に付着し、屋外から中に持ち込んでしまうことになります。喫煙者の呼気から徐々に放出され、空気中に拡散して影響を与え続けています。ある調査によると、喫煙直後から4分間は持続していると言われています。
また、喫煙者の親を持つ子どもの尿中ニコチン代謝物を測定すると、非喫煙者の子どもを1とした場合、ドアを閉めて屋外で喫煙した時は2倍、ベランダで喫煙した時は2.4倍、台所の換気扇の下では3.2倍になるという報告があります。
今まで、「換気扇の下で吸っているから大丈夫!」あるいは「喫煙所で吸っているから問題はない!」と思われていましたが、タバコの害をなくす吸い方も、害のないタバコも存在しないのです。
やはりタバコの煙は《百害あって一利なし》ということになるでしょう。

【引用・参考文献】
〔最新たばこ情報(厚生労働省ホームページ)〕
〔日本禁煙科学会:禁煙指導・支援者のための禁煙科学(文光堂、2008)〕
〔高橋裕子:「読む禁煙」(徳間書店、2004)〕
〔中村正和・大島明:決定版 賢者の禁煙(法研、2006)〕
〔NHK:ためしてガッテン〕
〔高橋裕子監修:コムジン診療所ホームページ(2004)〕

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