タバコをやめるための方法 ―導入編

最近、タバコの値段があがるというニュースがありました。この機会に「タバコをやめられるものならやめたい」と思っている方も大勢いることでしょう。
動機はどうあれ、禁煙への第一歩は「まずやめよう！」と心の準備をすることです。
その次に、禁煙成功の自信を強化するために、7つのポイントをうまく使うことです。

―その7つのポイントとは・・・・―

• ①問題点を見つけ、解決策を考える。
  たとえば、お酒の付き合いが禁煙の妨げなら、「しばらくはお酒を飲みに行かない」と決めることです。
  イライラする、ストレスがたまる・・というのが禁煙の妨げなら、気分転換をする方法を考えましょう。深呼吸や、軽い体操などで簡単に切り替えることができます。自律訓練法や瞑想、筋弛緩法なども効果的です。
• ②スモールステップで少しずつ。
  「一生禁煙する」などと力まずに、「とりあえず1週間禁煙する」というように身近な目標で取組むのも効果があります。
• ③まわりの人達の協力を得よう。
  家族、友人、同僚などの励ましは、やる気を支えてくれるでしょう。
• ④思い込みを変えよう。
  タバコをやめるとイライラする、ストレスがたまる、などの先入観はもたないようにしましょう。
• ⑤禁煙補助薬を上手に利用する。
  禁断症状が緩和され、禁煙しやすくなります。「イライラする」「がまんできない」などの禁煙で生じる問題点を解決します。
• ⑥禁煙成功者から学ぼう。
  禁煙のコツを教えてもらうことによって、自信につながりやすくなります。
• ⑦自分自身をほめよう。
  「禁煙できて当然」と考えたり、「ダメな人間だ」などと自分を追い詰めたりするのはやめましょう。
  小さなことでもがんばりをほめて、認めることによって自信を強固なものにできます。

心構えができたら次は、あなたに合った禁煙コースを選ぶためにチェックをしましょう。

あなたの依存度はどれに該当しましたか。
次回は依存度に応じた禁煙方法について紹介します。

【引用・参考文献】
〔中村正和・増居志津子・大島明：らくらく禁煙ブック（法研、2008）〕

タバコをやめるための方法 ―依存度別コース編

前回、ニコチン依存度チェックで「低」･･ライトスモーカー、「中」･･ミドルスモーカー、「高」･･ヘビースモーカーに仕分けされました。
その依存度に応じて、自力コース、ガム・パッチコース、飲み薬コースがあります。
依存度「低」の方には、自力コースか薬局や薬店で購入するガムコースがお勧めです。
依存度「中」の方には、禁断症状を軽くし、抑える効果があるガムやパッチの利用をしながらのコースがお勧めです。
依存度「高」の方には、医療機関でカウンセリングを受けながらのパッチ利用や飲み薬での禁煙コースがお勧めです。
それぞれに特徴がありますので、自分の健康状態や性格、環境などを考えてより自分にあった方法を選択しましょう。

〔自力コースの特徴〕
喫煙本数が少なく、ニコチン依存度が低く、自分の力で禁煙を達成したいと思っている方で、「禁煙する自信がある」「禁煙にお金をかけたくない」「薬は好きでない」方に適しています。
まず、周囲に「禁煙宣言」をして、タバコやライター、灰皿などを処分し、禁煙開始日をしっかりと決めてから実行すると良いでしょう。

〔ガムコースの特徴〕
喫煙本数やニコチン依存度が平均的で、なるべく楽に禁煙したい、忙しくて医療機関に行けない、禁煙に少しお金がかかってもかまわない、体重をあまり増やしたくない、禁煙後の口寂しさが心配、生活リズムが不規則な方にお勧めです。
一般の薬局や薬店で手軽に購入でき、吸いたくなったときにガムを噛むことによって喫煙の欲求が収まります。問題点としては、正しく利用しないと効果が出にくいことと、胃の不快感が出る場合があります。

〔パッチコースの特徴〕
ガムコースの特徴の体重をあまり増やしたくないまでは同様で、それに加え、仕事上ガムを噛みにくい、歯の調子が悪い方に適しています。
薬局や薬店のパッチと医療機関のパッチの違いは、前者は就寝中は貼らない。後者は24時間貼り続けるが、費用が少し安い、高用量のパッチが使用できる、です。
問題点としては、皮膚症状が出ることがあったり、汗ではがれやすくなったりします。

〔飲み薬コースの特徴〕
喫煙本数が多く、依存度が高い、ニコチンが使われている薬は使いたくない、安く、楽に効果の高い方法で禁煙したい、皮膚がかぶれ易い、以前ガムやパッチで成功しなかった、医師の指導を受けたい方などが適しています。
ニコチンを含まないので、循環器疾患をもった方でも使えて、タバコを吸ってもおいしいと感じさせないユニークな作用があります。
問題点は、精神疾患の人には使いにくいことと、胃腸症状や頭痛が出ることがあります。
また医療機関が限定されていることと、治療を受ける側にも条件があります。

【引用・参考文献】
〔中村正和・増居志津子・大島明：らくらく禁煙ブック（法研、2008）〕
〔HAIJII2009年8月号「最新の禁煙事情」（ソニー健康保険組合）〕