ソニー健康保険組合

文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

禁煙豆知識・タバコと炎症

ascure
(アスキュア)
禁煙プログラム
禁煙マラソン 禁煙治療 禁煙お役立ち情報 禁煙豆知識 禁煙推進状況調査
成功事例

タバコと炎症

私たちは、常に呼吸し休むことなく肺を働かせています。そして、たとえ汚れた空気を吸っているからといって、すぐに病気になるわけではありません。ところが、タバコの煙に含まれる4000種類以上の化学物質は、喫煙者だけでなく非喫煙者にも多大な影響を及ぼしますので注意が必要です。

~呼吸器が冒される~
【慢性閉塞性肺疾患(COPD)】

人は加齢とともに肺の働きが低下しますが、喫煙者ではそれより急速です。喫煙中タバコに含まれる化学物質により、喫煙者の気管支は炎症が起こりやすくなり、また肺が次第に壊れていく肺気腫を合併しやすくなります。これらを総称して慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼びますが、原因の95%は喫煙が占めるとさえ言われています。その結果、息ぎれ・酸素不足(慢性呼吸不全)を引き起こしやすく、また、肺炎や肺結核などにかかりやすくなります。慢性閉塞性肺疾患は個人差によるところが非常に大きいですが、40歳で禁煙すると呼吸不全が回避できるという報告もあります。いつの段階でも決して手遅れではない禁煙の効果が認められています。

【気管支喘息】
気管支喘息は、呼吸するときの空気の通り道である気管支が敏感なために、時々痙攣を起こして狭くなり、喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー、ヒューヒュー)や咳が出て呼吸が苦しくなる発作を起こす病気です。喫煙は気道炎症の持続や悪化の原因につながります。また、喫煙者の子供の健康に対する調査では、喫煙者の子供の気管支喘息は1.5倍にのぼるといわれています。

【肺がん】
タバコにはベンツピレンをはじめとする多くの発がん物質が含まれています。気道上皮細胞は、永年の喫煙により、発がん物質や、慢性炎症によって細胞内遺伝子の突然変異を起こし、やがて発がんに至るとされています。
肺がんと喫煙指数(1日のタバコの箱数×年数)とは、比較的明確な関連があるといわれています。扁平上皮がんの場合、喫煙指数が10以下でも2倍、50以上では13倍になるといわれています。

現在、わが国でも11万人以上が喫煙関連の病気で死亡していると推定されています。喫煙は「防ぎうる病気の原因の最大のもの」といわれており、禁煙直後から体によい変化が起こります。まず、血圧や脈拍数が正常になり、3日も経つと体内からニコチンがなくなります。早ければ1ヶ月で、せきやたん・喘鳴などの呼吸器症状が改善します。さらに、かぜやインフルエンザなどの呼吸器感染症にかかりくにくくなります。 禁煙後1年経過では、肺機能が改善し、例え肺がんにかかったとしても治療の促進につながります。

禁煙は年齢や性別に関係なく、長く続けるほど効果も大きくなります。これまでタバコにむしばまれた身体も徐々に健康を取り戻し、非喫煙者レベルにまで近づくことができます。
禁煙は、あなたの大切な身体とあなたの大切な周りの方々の健康も守れるのです。

【参考文献】
〔竹内 実:喫煙を科学する(京都産業大学ホームページ)〕
〔日本禁煙科学会:禁煙指導・支援者のための禁煙科学(文光堂、2008)〕
〔禁煙のすすめ(日本呼吸器学会ホームページ)〕

ページ先頭へ戻る