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禁煙豆知識・タバコとメタボは切っても切れない関係

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タバコとメタボは切っても切れない関係

タボリックシンドローム(メタボ)とは、太っていることが問題ではなく、内臓脂肪の蓄積によって高血糖、高血圧、脂質異常を招き、それらが重複している状態です。この状態が続くと、様々な形で血管を損傷し、動脈硬化をもたらし、脳血管疾患、虚血性心疾患などを引き起こす場合があります。このメタボとタバコは一見無関係のように思えますが、 動脈硬化という点では、切り離しては考えられない関係にあります。

【タバコを吸うとメタボになりやすい】
タバコの煙の成分であるニコチン、一酸化炭素、その他有害物質の作用により、循環器系をはじめとした多くの疾患に影響することがわかっていますが、特にメタボとの関係では中核をなす糖尿病との関係が注目されます。
喫煙は、アドレナリンなどのストレスホルモンを介して血糖値上昇を引き起こし、また脂肪組織から分泌される善玉物質のアディポネクチンという肥満を抑える物質を減少させ、さらには悪玉物質である炎症を引き起こすTNF-αというサイトカインを上昇させることによって、インスリンの血糖を下げる働きを阻害し、血糖を上げてしまいます。さらにタバコに含まれる有害物質によって、すい臓のβ細胞を傷害してインスリン分泌を低下させ、糖尿病発症の危険を加速させます。
また脂肪を分解する酵素を低下させ、脂質異常症にも関係します。そのため喫煙者の中性脂肪値は高く、善玉コレステロールであるHDL値は低い傾向にあります。
また、脂肪細胞からアンジオテンシノーゲンという血管を収縮させる物質の放出を促進することによって血圧の上昇を招きます。さらに、一酸化炭素は、血管の内部の壁を傷害し、ニコチンは血を固まりやすくさせ、血流を留める作用があります。
つまり、タバコに含まれる色々な物質によって、動脈硬化症の連鎖が引き起こされてしまうのです。ある研究によると、メタボの発症リスクは非喫煙者に比べて20~30本/1日の喫煙者で1.45倍、31本以上で1.6倍も高くなるという報告や、喫煙者のメタボ危険度は2.4倍という報告もあります。タバコは、メタボを引き起こす原因を作っているということになるのです。

【メタボの人がタバコを吸うと → スーパーハイリスク】
喫煙はメタボを作り出すだけではなく、メタボの人が喫煙することによりその影響は一気に増大します。
特に心血管合併症の危険度は顕著で、虚血性心疾患で3倍、脳梗塞で2.5倍も発症リスクが高くなるといわれています。1日の喫煙本数においては、本数が多いほど危険度は増し、心疾患の死亡率でみると、20本以内で4.2倍、20本を超えると7.4倍になるという報告があります。
メタボの人がタバコを吸うことにより、スーパーハイリスク状態となり「動脈硬化」はハイスピードで進行します。
メタボ対策とタバコ対策は切り離すわけにはいきません。生活習慣病の予防対策のためには「車の両輪」と捉えてそのリスクを軽減させる必要があるのです。

【引用・参考文献】
〔中村正和:特定健診・特定保健指導における禁煙支援マニュアル(厚労科研)〕
〔日本禁煙科学会:禁煙指導・支援者のための禁煙科学(文光堂、2007)〕

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