ソニー健康保険組合

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禁煙豆知識・タバコの「身体的依存」と「心理的依存」

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タバコの「身体的依存」と「心理的依存」

平成18年度から健康保険を適用した禁煙治療が認められるようになりました。喫煙はもはや個人の趣味や嗜好品ではなく「依存症の一つである」との認識が日本でも広がってきています。喫煙には身体的依存と心理的依存の二つの「依存」が存在し、特に心理的依存の方が強いとされ、なかなかタバコをやめることができない原因となっています。

<身体的依存>
タバコに含まれるニコチンは脳内報酬回路といわれる神経系に影響を及ぼし、「満足感」や「幸せ」を感じる快楽物質である「ドーパミン」を過剰に放出させます。タバコを吸い続けると、この過剰反応に慣れてしまい機能低下を起こし、ニコチンなしでは回路が正常に機能しない状態になります。ニコチンが切れるとイライラや集中力の低下、気分の落ち込みなど不快な離脱症状が起こり、喫煙することでこれらの症状は緩和されますが、喫煙している限りニコチン切れのストレスにずっと悩まされ続けることになります。ただし、2~3日禁煙すればニコチンは体から完全に抜け、脳の機能も徐々に回復していきます。

<心理的依存>
ニコチンが離脱症状を緩和するからといってタバコの効用とは呼べません。なぜなら、もともとタバコを吸わなければこの不快な離脱症状は起こらなかったわけですから。しかし脳はこれをタバコによる効用と「錯覚」してしまい、 “ストレス解消になる”“集中力がUPする”“気分がすっきりする”などと誤った認識を持ってしまいます。あたかも仕事やプライベートのストレスをすべて解消する効果があると勘違いしてしまいます。そしてタバコは人生に無くてはならないものとして歪んだ価値観を強化し「禁煙=人生の楽しみが奪われる、耐えられない」と思い込んでしまいます。そのため、この「錯覚」に気づかない限り、なかなかタバコをやめることができません。

以上のように、喫煙者は二つの依存に悩まされているのですが、もうひとつ「社会的依存」があるとされています。喫煙者が喫煙を継続できるようにすることが喫煙者への配慮やサービスであるとする考えです。喫煙所や喫煙席、就業中の喫煙による離席もそうです。喫煙の害が明白になっている現在、このような社会全体の「喫煙に対する認知の歪み」を、ひとりひとりが考え改善していく必要があるのではないでしょうか。

【引用・参考文献】
〔加濃正人:ニコチンの心理的依存(日ア精医誌 15:3-14、2008)〕
〔中村正和・増居志津子・大島明:らくらく禁煙ブック(法研、2008)〕
〔産業医科大学医学部呼吸器内科学ホームページ〕
〔最新たばこ情報(厚生労働省ホームページ)〕

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