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お口の健康「お口のまめ知識」

お口すっきりケア お口のまめ知識 歯科情報のリンク

お口に関する、さまざまな情報を紹介しています。

糖尿病と歯周病

歯周病は全身の病気に悪影響を及ぼす

歯周病は口内の病気ですが、全身のさまざまな病気に影響していることがわかってきています。
歯周病になると歯周組織に歯周病菌が増加し、それによって炎症が起き、炎症物質(サイトカインやプロスタグランジンE2など)が異常に分泌されます。その歯周病菌や、炎症物質が血液にのって全身に運ばれたり、気管から肺へ進入して、身体に影響を及ぼすことになります。
影響を及ぼすと言われている主な病気は、心臓病、脳卒中、肺炎などがあり「糖尿病」もその一つとしてあげられます。

歯周病は糖尿病の合併症~歯周病は糖尿病を悪化させる!?~

歯周病は糖尿病の合併症の一つです。
糖尿病と歯周病の関係には次のような特徴があります。
・ 糖尿病の人は歯周病にかかる割合が高い
・ 歯周病も重症化しやすい
・ 血糖コントロールが悪いほど歯周病が悪化しやすい
歯周病になると炎症物質が増え、歯肉の毛細血管を通って血液の中に進入します。その炎症物質が血糖値をコントロールするインスリンの働きを低下させてしまい、糖尿病が悪化するのです。
糖尿病が悪化すると、歯周病も悪化してしまうという悪循環が起こるのです。
最近では、歯周病を治療すると炎症物質の分泌が抑えられ、インスリンの働きが良くなるため、血糖値が改善するという報告もあります。

糖尿病の方の歯周病対策

歯周病は気がつかないうちに進行し、自覚症状が出たときには重症化していることが多い病気です。特に糖尿病の人は歯周病を悪化させやすいので、日頃から注意しましょう。

1.歯周病のセルフチェック
週に1回は歯や歯肉の状態をセルフチェックしましょう。
次の症状がある方は歯周病になっている可能性が高いので、早めに歯科医院を受診しましょう。

  •   □ 歯磨きの時に歯肉から出血することがある
  •   □ 歯肉が腫れることがある
  •   □ 歯と歯の間にものがはさまる
  •   □ 口臭が強いと言われたことがある
  •   □ 歯が浮いた感じがする
  •   □ 歯がぐらぐらする

2.歯周病対策

  • 1)血糖値の改善・コントロールをすること
    歯周病の治療や管理には、歯科的な対応だけでなく血糖値のコントロールは欠かせません。主治医と相談しながら、食生活や運動習慣を見直してみましょう。
  • 2)歯周病の原因となるプラーク(歯垢)のコントロールをすること

    • ①日頃から、歯ブラシやタフトブラシ、デンタルフロスまたは歯間ブラシを使って、1本1本の歯を丁寧にブラッシングしプラークを落としましょう。
    • ②定期的に歯科医院で健診を受け、歯石除去や歯面清掃をしてもらいプラークを除去しましょう。
      歯科医院を受診する際は、「血糖値が高い」、「糖尿病の治療を受けている」ということを忘れずに伝えましょう。

【参考文献】
〔保健指導における学習教材集(厚生労働省)〕
〔標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル(社団法人日本歯科医師会、2009)〕

子どものお口ケア

「永久歯」の健康は、「乳歯」の頃からのケアが決め手!

乳歯のころからのケアが大切なわけ

  • 乳歯は永久歯が正しい場所に生えるための案内役のため、乳歯がむし歯などで早く抜けてしまうと、目標を失った永久歯は正しい位置に生えることができなので歯並びに影響をあたえる。
  • 乳歯はエナメル質が薄く軟らかいのでむし歯になりやすい。
    また生えたばかりの永久歯も酸に弱く、むし歯になりやすい。
  • 乳歯と永久歯が混在するため、歯の高さがふぞろいになりブラッシングしにくく磨き残しが多くなる。

そのためこの時期こそ
「自分磨きと仕上げ磨きの口腔ケア」
「歯科健診とブラッシング指導」が大切です。

自分磨きと仕上げ磨きの口腔ケアを習慣に

歯磨きのスタートは6ヶ月~1歳ぐらいが目安
・ 歯ブラシに慣れさせる
・ 離乳食後に、指に巻いたガーゼで歯をふく
・ 第1乳臼歯が生えてきたら丁寧に仕上げ磨き

3歳ごろ
・ ぶくぶくうがいの練習をはじめ、最初は自由に磨かせる
・ 乳歯が生えそろったころから上手に磨く練習を始める

永久歯に生え変わりのころ
・ 歯並びが凹凸して歯ブラシが届きにくいところを磨く練習をする
・ 「食べたら歯みがき」を習慣に
・ 特に1日1回夜寝る前は歯ブラシとデンタルフロスを使って丁寧に磨く
※生え変わりの時期は、おおむね6歳~12歳ころです

保護者の仕上げ磨きは大切

1日1回寝る前にしっかりと仕上げ磨きをしてあげましょう。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスで歯と歯の間まで丁寧に磨くことも忘れずに。正しいブラッシング習慣を身につけさせつつ、小学校3~4年生ころまでは仕上げ磨きを続けましょう。

定期的な歯科健診とブラッシング指導を習慣に

半年~1年以内に歯科健診を受けていない、または正しいブラッシング指導を受けたことがない場合は、早めにかかりつけの歯科医院を受診しましょう。
家族みんなで、歯磨き大好き、年に数回は歯科健診を受けよう!という雰囲気づくりも大切です。

参考リンク

【参考文献】
〔広報誌HAIJII2011年10月号〕

口臭

「永久歯」の健康は、「乳歯」の頃からのケアが決め手!

口臭の原因には「口の中の原因」と「全身の病気が原因」「食べ物や嗜好品が原因」などがあげられます。
口の中の病気が原因の口臭は、「毎日のケア」と「歯科医院でのケア」で予防することができます。

口の中の原因
むし歯やプラークによるもの プラークや歯石など口の中の汚れが原因でむし歯となり悪臭を放つ。神経まで炎症を起こすような悪化したむし歯は特に危険。
歯槽膿漏(しそうのうろう)・歯肉炎(歯周病)などによるもの 歯肉が炎症をおこし悪化した歯周病で口臭が起こる。歯肉炎の初期症状は小学生から大人まで年齢に関係なく起こる。
舌苔 舌苔(舌の汚れ)は悪臭を放つことが多いといわれている。
その他の原因
全身の病気 糖尿病や肝臓病、胃腸の病気、耳鼻咽喉の病気、唾液が出にくくなる病気など。
食べ物や嗜好品 にんにくなどの臭いの強い食べ物、アルコール類、タバコなど。

【参考文献】
〔標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル(社団法人日本歯科医師会、2009)〕

歯周病とむし歯

子どもから大人までむし歯や歯周病(歯肉炎と歯周炎)は、年齢に関係なくかかります。口臭を訴える患者の約1/3は、歯周病が原因と言われています。
歯周病やむし歯にならないために、プラークを除去すること、つまり「毎日のケア」と「歯科医院でのプロフェッショナルケア」が大切です。

むし歯や歯周病になる原因と対策

1.歯周病のセルフチェック
口の中の微生物が歯の表面につき、ミュースタン菌が作るネバネバした物質でプラークが形成されます。プラーク内では細菌等が、食べ物の糖分を栄養として増殖します。特に歯と歯の間など磨き残し部分のプラークを完全に取り除く事は難しいと言われています。

2.プラークの石灰化(歯石形成)
プラークは歯周病菌やむし歯菌のパラダイスになり、歯や歯周組織に悪影響を与え、プラークが石灰化すると歯石となります。プラークは歯磨き剤に含まれる殺菌・消毒剤などから、歯周病菌やむし歯菌を保護するうえ、特に歯石となってからは自分で行うブラッシングでは除去できませんので、歯科医院でのケアが必要です。

【参考文献】
〔標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル(社団法人日本歯科医師会、2009)〕

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