女性のからだ「ライフステージ」
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ライフステージ
エストロゲンの分泌量の変化とともに女性が気をつけたい健康課題を、ライフステージ別にご紹介します。
ご自身の今現在のライフステージだけでなく、未来のライスステージや過去のことなどもご覧になってみて下さい。
思春期
思春期とは、「初経(初潮)が始まってから月経が安定するまでの期間(日本産婦人科学会より)」のことで、具体的には8~9歳から17~18歳までの時期を指します。
エストロゲンは、8~9歳で分泌を開始しますが、まだ月経が安定しない時期でもあり、月経異常やPMS(月経困難症)が見られます(※①)。 また、知識不足により、性感染症や望まない妊娠のリスクが高まる時期ですので、年齢にあわせた適切な知識をえることが必要です。この頃は、からだが第二次性徴を向かえ、女性らしいからだつきになっていくのが正常な発達ですが、自分のボディイメージに敏感な時期でもあり、関心が体重(ダイエット)にそそがれることが少なくありません。モデル体型に憧れて、気軽な気持ちでダイエットに励む女の子も多いのですが、その他のストレス(期末テストや受験、進学、就職等)が重なって、摂食障害(拒食症や過食症)に陥ってしまうこともあります。
この時期は、エストロゲンの分泌増加とともに、骨が形成される重要な時期でもあり、不適切なダイエットは禁物です(※②)。アイデンティティの確立とともに、気持ちがゆらぐ時期でもありますので、周囲の暖かい見守りとあわせた健康サポートが必要です。
- ※①16歳になっても初経を認めない場合や、それまで順調にあった月経が3ヵ月以上停止している場合(続発性無月経)は、放置せず、婦人科への相談が必要です。
- ※②標準体重の85%をきると月経が停止する可能性が高くなります。
成熟期
18~19歳から44~45歳くらいまでの時期が成熟期です。
成熟期は、エストロゲン分泌量がピークを迎える時期です。そのため、妊娠・出産・家族計画に適した時期ともいえますし、一方でその時期に不妊症に悩む方も少なくありません。エストロゲン依存性の疾患である、子宮筋腫や子宮内膜症、乳がん、子宮がんにも注意が必要な時期です。乳がん、子宮がん検診を受けましょう!
また、最近では30代後半~40代半ばの女性でも、更年期障害に似た症状に悩まされているケースが増えてきています。 このようなケースが「プレ更年期」です。プレ更年期の原因は、更年期に見られる急激な卵巣機能の老化ではなく、更年期より前に訪れる緩やかな卵巣機能の低下と知らず知らずに 溜まったストレスが引き起こす、自律神経失調のような症状です。プレ更年期の症状を予防するためにも、ストレスや疲労には注意しましょう。
更年期
日本人の閉経年齢50±5歳、およそ45~55歳をさします。
エストロゲンの分泌量が急激に低下する時期で、それに伴って、心身のバランスを崩しやすい時期です。心身の不調に加え、家族の変化(親の介護、夫の病気や退職、こども巣立ち等)や環境の変化も影響して、孤独感を感じやすく「うつ」を発病しやすい時期でもあります。
こうした身体の変化が、ホットフラッシュ(のぼせ)、ほてり、発汗、イライラ、うつ症状などといった症状「更年期障害」を引き起こしていると考えられています。症状も人によって重い人も、軽い人もいます。
「更年期だから...」と我慢や無理をしたり、更年期障害以外の疾患を見逃さないよう、気になった症状は気軽に婦人科医師に相談しましょう。ホルモン補充療法や漢方療法等の治療が適している場合もあります。
また、この時期は、各種がんや、エストロゲンで守られていた動脈硬化性疾患のリスクも上昇します。特にコレステロール値や血圧に注意し、健康診断も欠かさずに受診しましょう!
老年期
更年期が過ぎた50代半ば以降を老年期といいます。
骨量を保ってくれていたエストロゲンが低値を示すため、骨粗鬆症がすすみます。骨粗鬆症は、女性が要介護状態になる原因の代表的なものです。女性が長い人生を寝たきりにならず健康に過ごすため、バランスのよい食事や適切な運動ができるよう、こころがけましょう。
骨盤内の筋力低下等による尿もれや、萎縮性膣炎、アルツハイマーも珍しい病態ではありません。「そういえば、気になっていたことがあるわ・・・」「私は大丈夫かしら・・・?」等、心配なことがございましたら、婦人科医、乳腺専門医、精神科医、内科医、保健師、助産師、看護師、に気軽にご相談ください。