ソニー健康保険組合

文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

セルフケア「ライフステージと栄養」

女性のからだ セルフケア 健診/検診について お役立ち情報

女性ホルモンの変化に合わせて、快適に過ごすためには、基本的な生活習慣が大切です。
・規則正しい食生活、バランスのとれた食事
・適度な運動
・十分な休養
ここでは、快適に過ごしていただくための生活習慣についてご紹介しています。

ライフステージと栄養

参考リンク

しっかり食べて丈夫なからだとこころを育む思春期

思春期は、筋肉や脂肪がつき、女性らしいからだが完成する時期であり、発育のための栄養を補うため、必要なエネルギー量が最も多くなります。また、月経が始まり、体内の鉄が不足しやすいため、貧血になりやすいという特徴もあります。
一方で、思春期になると、ダイエットに興味をもつことがあり、肥満体型であるか否かにかかわらず、「やせている」というボディイメージを求めて、食事の量を減らしたり、欠食をすることもあります。また、ダイエット目的ではなく、精神面に起因して食欲不振となる場合もあります。
栄養の不足や偏りなどがあると、発育に悪影響を及すことがあり、将来の健康にも関わりかねません。行き過ぎたダイエットは、体重減少のみでなく、栄養素が不足し、貧血や体力低下、月経異常を引き起こすこともあります。思春期の貧血は、将来の潜在的な貧血や妊娠期の貧血とも関係しており、この時期から予防する必要があります。
1日3回バランスのよい食事で必要な栄養素を偏りなく摂り、タンパク質(肉・魚・大豆製品・卵など)、ビタミン(野菜・果物など)、鉄、カルシウムなどが不足しないように注意しましょう。また、好みの食事中心になったり、不規則な食事時間、欠食、間食、夜食など食習慣の乱れることがないように、生活時間も見直してみましょう。

参考リンク

大人の美しさを蓄える成熟期

成熟期は、身体の機能が発達し、女性ホルモンの分泌がピークを迎える時期です。この時期に、欠食・偏食などによる無理なダイエットをしてしまうと、女性ホルモンが低下し、老化を促進するようなものです。
栄養の偏りや生活習慣の乱れが重なると、中高年になってから生活習慣病などの悪影響が出てくる可能性があります。無理なダイエットでの筋肉減少や中年からの肥満を防ぐためにも食習慣改善の取り組みが大切です。
妊娠・出産や、月経の不調、乳がんとの関連からも栄養を再確認しましょう。
主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスの良い献立にしましょう。
葉酸(ビタミンB群の一種)を充分に摂ると、妊娠後に神経管閉鎖障害という胎児の先天異常のリスクを減らします。日頃から葉酸が多く含まれる緑の葉野菜やマメ類を摂ることを心がけましょう。
個人差はありますが、女性は比較的男性よりアルコール分解能が低いと言われています。また、お酒の飲みすぎは、乳がんのリスクを増大させますので、1合/回目安にしましょう。
妊娠期・授乳期の飲酒・喫煙は、胎児や乳児に悪影響を与えます。必ず禁酒・禁煙しましょう。

アンチエイジングの更年期~オレイン酸、n-3系とカルシウムが強い味方~

更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、心身にさまざまな不調が起こります。
骨密度の減少や、体重増加や、脂質異常症(血液中のLDL-Cが高くなる、HDL-Cが低くなる、トリグリセライドが高くなる)が増え始める時期です。
不足しがちなカルシウムを十分に摂取することが必要です。
また、脂質異常症が気になる場合は、脂肪の摂り過ぎに気をつけましょう。
脂肪には、肉の脂身やバターなどの動物性脂肪とオリーブ油や菜種油などの植物性脂肪がありますが、動物性脂肪は控えめにしましょう。
また、オリーブ油や菜種油などに多いオレイン酸や青魚に多いn-3系の油などは血清脂質値のコントロールに役立ちますのでとり入れましょう。
摂取量は、魚なら60g、油としての使用量は、大さじ1杯/日程度が目安となります。
大豆製品には、エストロゲンと同じような働きをする成分が含まれています。
日常的に摂取を心がけることで、更年期のエストロゲン減少による不調の予防や改善につながります。納豆や豆腐などさまざまな食品がありますので、食事にとり入れていくことをお勧めします。
過剰な活性酵素がからだを酸化すると、老化現象が進むといわれています。
活性酵素の中和に役立つ抗酸化物質を十分にとり、病気と老化のもとである活性酵素を撃退しましょう。食事に含まれる抗酸化物質は、緑、赤、黄色といった色鮮やかな野菜や果物、香辛料などに多く含まれます。
野菜・果物を中心に彩りよく食べましょう。

おいしく楽しく老年期

老年期は、口渇中枢機能の低下により水分摂取の低下を生じたり、胃に食べ物が入ったときに便意をもよおす反射が鈍くなり、便秘がちになります。
ちょっと油断すると軽い脱水状態に陥りやすく、のどの渇きの有無にかかわらず、定期的な水分補給を心がけることが大切です。
必要なエネルギー量は減りますが、食べる総量は少なくてもバランスよく食事をすることが必要になります。食事の際は、肉・魚・大豆製品・卵など良質のタンパク質や、野菜・果物などビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含むものを優先して食べましょう。便秘の解消には食物繊維が効果的です。
高齢になると、食欲旺盛な人がいる一方で、個々の高齢者により程度の差はありますが、食欲がわかないという人が増えてきます。
「おいしく楽しく!」がエネルギーの源です。嗜好品や調理法など、料理にメリハリをつけたり、食事を楽しめる環境づくりをしましょう。

【引用・参考文献】
〔日本人の食事摂取基準(2015年版)(厚生労働省ホームページ)〕
〔吉沢豊予子・鈴木幸子:女性看護学(メヂカルフレンド社、2008)〕
〔中村丁次:栄養の基本がわかる図解事典(成美堂出版、2007)〕
〔安田和人:図解 栄養の基本がよくわかる事典(西東社、2010)〕

ページ先頭へ戻る